2015-11-15から1日間の記事一覧

映画批評 『ハンナ・アーレント』

映画批評 『ハンナ・アーレント』 およそ女性哲学者として、唯一その名を歴史に深く刻んであろうハンナ・アーレントの半生を描いた映画。作品としては主に『イェルサレムのアイヒマン』を中心に、執筆前のイェルサレムへのアイヒマン裁判の傍聴、執筆後のユ…

『政治学のリサーチ・メソッド』(スティーブン・ヴァン・エヴェラ)

『政治学のリサーチ・メソッド』(スティーブン・ヴァン・エヴェラ) 表題の通り、政治学の研究をするにあたってのメソッドがまとめられている。 政治学に限らず、特に社会科学系の研究にあたっては非常に参考になる良書であると思う。 【仮説・法則・論理】…

『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ)

『わたしを離さないで』(カズオ・イシグロ) 先日、NHKの白熱教室番組を見た「カズオ・イシグロ」の作品。内容としては、臓器提供者として生まれた子供達が「ヘールシャム」という施設の中で育ち、多少の抵抗の後、ある意味受動的にその「生の意味」を受け…

留学に向けて(9/1)

9月1日の深夜2時半、いつものように眠れずに今に至っている。どうしてだろうか。思うに「9月」、出国の「9月」が訪れてしまったからだと思う。留学を前にして、今までどことなくあった「このまま9月10日は訪れないのではないか」、あるいはこのまま「留…

随時更新されるべき大学卒業までにやりたいこと

随時更新されるべき大学卒業までにやりたいこと 大学生活も気づけば残り1年半になった。 就職すること、つまり生産者側に周るということを考えると、学生にしかできないことが多々あることに気づく。 その上で大学卒業までにやっておきたいことを考えたい。…

一年時に所属していた団体の事件に関して、今思うこと。

一年時に所属していた団体の事件に関して、今思うこと。 一年時に所属していた団体で事件があった。それからすでに3年がたった。当時、真剣に団体活動をやっていた訳ではなかったが、その事件は自分にとっても衝撃的であった。しかし3年も経ると、必然的に…

『日本のいちばん長い日』(半藤一利)

『日本のいちばん長い日』(半藤一利) 【大日本帝国はその最後の一日をいかに過ごしたか】戦争期における様々な失敗、狂信は多様なメディアを通して、伝わってくる。そして、異様な天皇礼賛、軍の暴走がフィーチャーされることが多い。それらのメディアを通…

SNU-Utokyo Joint Summer Program 8/11、8/12まとめ

SNU-Utokyo Joint Summer Program 8/11、8/12まとめ 【自民党&国会】 平沢議員 ・過去は重要であるが、未来志向で歩まねばならない。(→加害者側の論理ではないか) ・現在の安保法制に対して、 究極的な憲法の万人は最高裁である。 また憲法学者はいかなる…

SNU-Utokyo Joint Summer Program 8/7、8/10まとめ

SNU-Utokyo Joint Summer Program 8/7、8/10まとめ 【東京観光】 新大久保、靖国神社、秋葉原を訪れた。 最も印象的だったのは靖国神社である。 靖国神社には既に足を運んだことはあるものの、 遊就館も含めて、しっかりと向き合うのは初めてであった。 さら…

影響力が大きい仕事をするとはどういうことか

影響力が大きい仕事をするとはどういうことか 影響力が大きい仕事をするとはどういうことか。いわゆる日本の有名大学の就活生を見ていると、銀行や商社、コンサルなどの業界を目指す学生が非常に多い。そして(自分も違わず)彼らの主要な志望理由の一つに(…

『不平等国家 中国-自己否定した社会主義のゆくえ-』(園田 茂人著)

『不平等国家 中国-自己否定した社会主義のゆくえ-』(園田 茂人著)ブリーフィングサマープログラム参加予定の園田教授の中公新書。タイトルにあるように社会主義を掲げている中国、その中に潜む様々な不平等を捉え、今の中国の実情に迫っている。特徴とし…

【論文】The Development and Problems of Soft Power between South Korea and Japan in the Study of International Relations

【論文】The Development and Problems of Soft Power between South Korea and Japan in the Study of International Relations The Development and Problems of Soft Power between South Korea and Japan in the Study of International Relations まと…

SNU-Utokyo Joint Program 8/3~8/6 まとめ

SNU-Utokyo Joint Program 8/3~8/6 まとめ 現在、ソウル大学との合同プログラムに参加している。その中で学んだことを随時、備忘録として記載していく。-------------------------------------------------------------------------------------------------…

リスクと不確実性のキャリア論

内容としてはタイトルにある通り、「リスク」と「不確実性」を取り違えてキャリアを考えるべきではないということである。 ここで一般的な定義に乗っ取り、両者を説明すると「リスク」とは「目に見える」あるいは「確率計算が可能」な事象のばらつきであり、…

海外インターン 情報まとめ

JICAhttp://www.jica.go.jp/recruit/intern/Food and Agriculture Organization of United Nationhttp://www.fao.org/employment/current-vacancies/opportunities-for-students-and-young-graduates/internship-programme/en/HIDAhttp://intern.hidajapan.o…

自己分析

【7/26】他にもれず、「自己分析」をしていると、どうも自分の人生を一本の線でまとめあげようとしてしまう。 しかし、人間はもっと揺れ動き、不確実なものではないだろうか。 小学生の自分の「性格」がきれいに「今」につながることなど本当にあるのだろう…

国会議事堂前のデモを見て思うこと

集団的自衛権に関する法案が衆院本会議を果たした本日、国会議事堂前で行われているデモを見に行った。そこで思ったことを適当に書き連ねる。・実際に訪れて気づくのは、(19時前後という時間もあってか)老人7割、若者2割、その他1割くらいの人口構成であ…

映画批評『アメリ』

点数:70点子供時代、親の教育方針で友達を持たず、空想に浸りがちだったアメリは、成人して人を幸せにすることに喜びを覚えるようになる。しかし、そんなアメリはいまだ人とのコミュニケーション、特に男性との恋愛に関するそれを上手くとれず、自分の幸せ…

杉山愛さん セッション まとめ

杉山愛さん セッション まとめ 【反復性と日常】 文明塾を通して感じた”今の自分に最も必要”なこと。 それは日常における反復性である。 同じ毎日を送るのではなく、同じ部分を少しでも作ること。 杉山愛さんが最後にまとめてくださった 「ルーティンをつく…

『デスノート』『デスノート the last game』

映画批評『デスノート』『デスノート the last game』2006年に放映され、当時映画館に見に行ったデスノートをドラマの開始に相まって、再度鑑賞した。懐かしくも新鮮な作品であり、原作のすばらしさがにじみ出ている。デスノートにおける根源的な問いはなん…

『若きウェルテルの悩み』(ゲーテ)

『若きウェルテルの悩み』(ゲーテ)小説であるが故に、ブリーフィング・感想といういつもの形式は採らない。この話はやや厭世のきらいがあるウェルテルがロッテという人妻に恋をし、思い悩んだ末に自殺するまでの心の葛藤を日記形式で記している。本作品の…

『反知性主義 アメリカが生んだ「熱病」の招待』(森本あんり)

『反知性主義 アメリカが生んだ「熱病」の招待』(森本あんり) ブリーフィング 昨今、書店において「反知性主義」に関する本が跋扈しているが、 本書は現代の反知性主義を育てたアメリカの歴史を観察し、論述している。 アメリカは入植当初から、非常に高学…

文化と文明と東洋と西洋と日本絵画と西洋絵画

文化と文明と東洋と西洋と日本絵画と西洋絵画 【文化と文明】 他の方も記載していたが、”人間に役立つものとしての文明”と ”人間の信用の中で生まれる文化”という観点は興味深かった。 “文化”と“文明”を上記の意味で捉える時、文明は成果が明白である。 新し…

卒論に関して

卒論に関して留学する可能性があるとはいえ、最近少し卒論について考えだしている。(留学した場合、卒論が受理されないかもしれないのだけれど)卒論は自身が4年間で勉強してきたことの最終的なアウトプットであるから、一定以上の質を追求していきたい。…

『危機の二十年 理想と現実』(E・H・カー)

『危機の二十年 理想と現実』(E・H・カー)ブリーフィング国際政治学の起源とも言われる本書。第一次世界大戦前、中、後の20年(1919~1939年)において世界はどう対応したのか、そして当時の政治学者、政治家はどのように考えたのかを分析する。目次第一部 …

『ヨーロッパ思想入門』(岩田靖夫)

『ヨーロッパ思想入門』(岩田靖夫)ブリーフィング岩波ジュニア文庫ではあるものの、ヨーロッパ思想の根源を知れる良書。構成として、前半部においてヨーロッパ思想の根源をなすヘレニズムおよびヘブライズムに関する著述が続き、後半部では様々なテーマの…

『クリエイティブ・マインドセット』(デイヴィッド・ケリー)&『センスは知識から始まる』(水野学)

『クリエイティブ・マインドセット』(デイヴィッド・ケリー)ブリーフィング クリエイティビティはこの世に存在する人々全てが持っているもので、 「創造性に対する自信」欠けているだけなのだ。 この自信もIDEOの「デザイン思考」に乗っ取れば、誰もが自分…

「他人と同じことをしたくない」症候群の背後にある思想

「他人と同じことをしたくない」症候群の背後にある思想 思うに資本主義の中にある現代、二つの価値観が相克している。 ”稀少性”に全ての価値を見出す「経済学的思想」と、 ”個の不可侵性”を重視する「宗教的(キリスト教的)思想」である。 現代、価値があ…

番外編:読みたい本

番外編:読みたい本大学時代に読んでおきたい本を以下、リストアップする。読破あるいは、追加に関しては順次更新していく。留学前『ペスト』(カミュ)『想像の共同体』『文明の衝突』『歴史の終わり』大学生活『オリエンタリズム』(イブン・サイード)『…

『リーマンショック コンフィデンシャル(上)』(加賀山卓朗)

『リーマンショック コンフィデンシャル(上)』(加賀山卓朗) 感想 本書は2009年のリーマンショックの前後に果たして現場では何が起きていたのかを まとめた経済小説。新聞記事、書籍、関係者へのヒアリングを通して得た膨大な資料を元にストーリーを構築…