2015-11-15から1日間の記事一覧

『人間不平等起源論』(ルソー)

ブリーフィング まずルソーは本書『人間不平等起源論』をジュネーブへの献辞をもって始める。この献辞は一見、形式上ジュネーブ政府・国民を誉め称えているように見えるが、これは本書や『社会契約論』で展開されるルソーの理論上でなされた当時の両者が孕む…

『頭のいい大学四年間の生き方』(和田秀樹)

『頭のいい大学四年間の生き方』(和田秀樹) ブリーフィング大学四年間は学生と社会人の間のモラトリアムとして語られることが多いが、むしろ積極的に”勉強”し、将来へのステップとしようという主張。第一章 大学、この知的空間をどう生きるか激変する世の…

『野蛮人の読書術』(田村耕一郎)

『野蛮人の読書術』(田村耕一郎)ブリーフィングここ最近巷で良く聞く「リベラルアーツ」とは日本語でいう「教養=文学者などが持つ生活感には欠ける、実用性が低い知識群」ではなく、「自由に生き抜く術」、つまりはこの複雑な世界をリードするためには不…

『ザ・プロフェッショナル』(大前 健一)

『ザ・プロフェッショナル』(大前 健一) ※以下、過去の書評故にフォーマットは異なる この本の主題は題名の示す通り、「(真の)プロフェッショナルとはなにか」そして、真のプロフェッショナルになるためにはどのような「力が必要なのか」である。 まず著…

『経済学に何ができるか』(猪木 武徳) 

『経済学に何ができるか』(猪木 武徳) ※以下、古い書評故にフォーマットが異なる 昨今、日本において特に「経済学は実際なんの役にも立たない」というニヒリズム的な論調が目立つのは確かである。実際経済学を学んだからといって、正しい政策処方箋が出せる…

『戦争の条件』(藤原帰一)

『戦争の条件』(藤原帰一) ブリーフィング国際政治学の権威、藤原帰一教授が「kotoba」という雑誌に連載していた「国際政治の練習問題」をもとに書き下ろしを追加した戦争と平和に関する概説書。第一章 戦争が必要なとき戦争が起きるとき、どのような理由…

『旅する力』(沢木耕太郎)

『旅する力』(沢木耕太郎) ブリーフィング・感想かの有名な『深夜特急』の補足ノート・出発前夜という位置づけの本書。エッセイのような本であるから、ブリーフィングするのは難しい。それよりも個人的に印象的だった文をいくつかのせておきたい。「私が未…

『夜と霧』新版(ヴィクトール・E・フランクル)

『夜と霧』新版(ヴィクトール・E・フランクル) 戦時期、ユダヤ人として強制収容所に3年間労働を強いられた 精神医学者・心理学者による「極限状態における人間心理」に関する分析書。 かつて自分が悲惨な目に遭わされた過去にも関わらず、 作者はあくまで…

『エネルギー問題入門』(リチャード・ムラー)

『エネルギー問題入門』(リチャード・ムラー)以下、昔まとめた本であるため、フォーマットが多少異なる。 将来の国を担う人材に向けて、各種エネルギーの特性を概説した良書。 本書の中では石炭や石油による従来の発電法から、水素発電や核融合のような最…

『僕たちの前途』(古市憲寿)

『僕たちの前途』(古市憲寿)ブリーフィングいわゆる”起業家”の社会学的な分析を中心にし、前半で現在の若手起業家の実像を作者の友人をベースに伝記調で記し、後半で”起業”を通した日本人の働き方の推移を語っている。前半:ここで語られる起業家、つまり…

『悩む力』(姜尚中)

『悩む力』(姜尚中) ブリーフィングヴェーバーと漱石という同時代に生きた天才を通して、 未解決の問題にあふれた「現代」における、”悩む”ことの重要さを説いている。 ・私とは何者か 「脱魔術化」され、自由を与えられた我々は ひどく孤独である。 この…

『20代の後悔しない働き方』(小宮一慶)

『20代の後悔しない働き方』(小宮一慶) 本当に大きな仕事をまかされる30代、40代で価値を発揮するために 20代をいかに働くべきか、という指南書。 本書では20代で磨くべき力を 思考力×行動力×正しい考え方の三つに分け、議論を進めている。 以下、上記の三…