『ザ・プロフェッショナル』(大前 健一)

『ザ・プロフェッショナル』(大前 健一)

※以下、過去の書評故にフォーマットは異なる

 

この本の主題は題名の示す通り、「(真の)プロフェッショナルとはなにか」そして、真のプロフェッショナルになるためにはどのような「力が必要なのか」である。

 まず著者はプロフェッショナルの定義を「絶対的な顧客主義」に見ている。つまり顧客のニーズ、ウォンツをしっかりと把握し、それを満たすような製品あるいはサービスを提供することが、定義なのである。しかし著者の主張ではなぜ顧客こそ真に重要で、彼らに尽くすことがプロフェッショナルたりうるのかという理由付けである。文中では「お前の給料は顧客が払ってくれている」という記述が出てくるが、なぜ「顧客が払ってくれている」→「顧客を大事にしなくてはならない」という理論が成立しうるのか。顧客は確かに我々の給料となる金を供給してくれる存在であるが、我々は彼らにそれなりの「商品」を提供している。いわば「ギブ&テイク」の関係なのではないか。もし私がここに意義付けをするのであれば、以下のような話しを展開すると思う。

(我々人間の生きる目的の第一として「子孫の繁栄」がある。それは生物として当然に課せられた課題である。(なぜ種を繁栄させるのかはまた考える必要があるように思う)しかし心あるいは精神を持ち合わせ、複雑な社会を作り上げて、互いに寄り添いながら生きている人間はどのようなモチベーション(根本的な)かは知らないが、「他者への配慮」「他者への寄与」をその生存の目的としているように考える。そして会社において、ある個人が影響を与えうる対象はやはり顧客である。そう意味で顧客が大切なのだ。)

しかし、上記のような考え方は他者への配慮を美徳としてではなく、生存の目的までアとしてしまっている時点で一定の批判をうけるように思われる。

 

次に記述したいのが、著者が「プロフェッショナルに必要な条件としてあげている4つの条件の位置づけである。(先見する力、構想する力、議論する力、矛盾に適応する力)これらの力が実際のビジネスのシチュエーションでどのように活きていく、活かされていくのかについて記述しようと思う。普段ビジネスをやる際に考えられる、フェーズを最大限大まかに分類すると「①未来のヴィジョンを描く→②計画をたてる→③行動する」の3つになると思う先見する力は①に関して、構想する力は②、議論する力は特に②③において、矛盾に適応する力は全てにおいて、活きるものであると思った