国際関係論 概論

国際関係論 概論

 
リアリズムの巨匠、Stephen Waltが国際関係論の初学者に向けて書いた20ページ弱の論文『International Relations; One World, Many Theories』を読んだ。
現在、Upper divisionのIR科目、Politcis of Interdependenceを受講しているが、国際関係論自体は初学者であるため、徐々にこういった基礎知識をつけていきたい。

【まとめ】
冷戦前・原初の思想
 
・リアリズム
 
国際社会を自己利益・生存追求の主体としての国家が経済力と軍事力という二つの”力”を使って、競争し合っている様と捉える。
→ネオリベラリズム=人間の本質を無視し、より国際社会のシステムの影響に焦点を当てた学派
 
・リベラリズム
国家の純粋な能力よりも、その選考が国家行動を決めるとして、当該国・共同体の経済体制や政治体制が重要視する力する。 
国家間の相互作用が政治レベルだけではなく、企業・国際機関・個人を通じて経済分野まで及ぶとする。
例えば、
国際機関による平和構築理論や、民主主義による「歴史の終わり」などはリベラリズムの例である。
 
・ラディカルなアプローチ
冷戦前までの有力なアプローチは「マルクシズム」であった。マルクシズムは資本主義を様々な闘争の根源とした。ネオマルクシズムにおいては、巨大な資本主義国家がその他の貧しい途上国を搾取することで富んでいるという世界観を示した。しかし、これらは冷戦の終結とともに急速に収束していった。
 
※追記:国内官僚組織や各国首脳に注目して、国家の国際的活動を説明する方法もあるが、これは上記の3つに対する補足とみなされることが多い。
 
冷戦後の新しいパラダイム
 
・復活したリアリズム
リアリズムは冷戦後も一定の地位を築き続けている。
近年では相対利得・絶対利得の概念の発見/攻撃的・守備的リベラリズムの決定的な断絶が特徴的である。
 
・リベラリズムの新たな潮流
ソ連崩壊後、民主主義の平和を唱う理論が生まれる。またグローバリゼーションの中での経済の相互連関の理論でも未だ強い影響力を持っている。
 
・コンストラクティビズム

コンストラクティビズムは分析対象を国家ではなく、エリートを中心とした個人に向け、そうした個人の信念や共同体の規範が国家の行動を左右すると主張する。
 
【参考Web】