『ハード・アカデミズムの時代』(高山博)

『ハード・アカデミズムの時代』(高山博)

 
日本の大学教育の問題点および、これからの大学における学問のあり方がテーマ。
一般に大学には創造性と独創性をもって、人間の共有知領域を広げる「ハード・アカデミズム」と
既存の学問をわかりやすく伝える「ソフト・アカデミズム」の二つの機能を持つ。
そして現在の日本の教育機関は欧米の学者の業績を理解・翻訳する『ソフト・アカデミズム』の機能があまりにも強すぎるという。その後、これらの原因を適切な競争と役割分担なき大学制度に求めている、といったところが要旨である。
 
この手の本を読んでしまうと、自分も「ハード・アカデミズム」を志したいという思いは
強まる。現在のように消費者として、学問に取り組む限り、自分がしていることは教育という投資に過ぎず、貢献はなにもない。