『パリの国連で夢を食う』(川内有緒)
パリの国連での経験を書いた本書、いわゆる国連の活動のすばらしさだけでなく、
官僚的な部分を包み隠さず書いている点で非常に貴重な本と言える。
特にめんどくさい人間関係、個人にまで及ぶ政治的意識は
・家探しなど、面倒な雑務も全て自分でやらねばならない。
・国連の有給の多さ(一ヶ月で2.5日を基本的に消化。2年に一回、国連持ちで帰国可能)
最近、国際機関関係の本を呼んで思うのは、そこに入ることを目標にするのではなく、
そこにいかなる職種で入るかが自分にとって重要であることが分かった。
東大もそうだが、結局のところ、「場」に入ることでの喜びは持続しない。
どのような分野における、どのような職種であるかが重要なのだ。
また意外に、多すぎる退職金によって、自分の行動がスタックしてしまっている人が多い。
『たった一人の熱狂』(見城透)
一言に熱気が伝わる本である。
本書のメッセージは非常にシンプルだと思う。
何かを成し遂げたいのであれば、圧倒的な努力により、圧倒的な結果を出せ。
そして、彼の場合重要なのは、その夢や努力を決して自分からは公言しないことだ。
それは公言している時間に、為すべきことを為せという意味であると共に、彼の美学なのだろう。
しかし、そんな彼でもゴルフや飲みは積極的に行っている。これが仕事のためなのか、息抜きは必要だと考えるのか判断が難しいが、これも含めて「自分の生き方」を考える、突き詰めるということには大いに賛成である。
こんな彼を見るとき、自分を見直さざるを得ない。
今の自分はクソである。
この自己否定は常に持ち続けた方がよい。
というか、ある種のポジティブシンキングは究極的なところ、私には合わないのだから。
『モーターサイクルダイアリーズ』(エルネスト・チェ・ゲバラ)
キューバ革命を成功させたチェゲバラが、青年期に南アメリカのハンセン病施設を巡るため(という名目で?)行った旅の日記。
当時、ゲバラは21歳であり、私よりも一年若かった。
そんな彼の文章、そこから見える行動は若さを伴うものの、ある種の熱が伝わってくる。
いわゆるゲバラはエリートである。医師の免許を持ちながら、戦うことを選んだ。
その熱の源泉はこの旅で見てきた虐げられた人々。南アメリカの一体感。アメリカへの反発にあったと見て間違いないだろう。
本書の中で彼に見られる特徴は、人なつっこさ、そして時には嘘も方便という態度である。チェも当然、聖人ではない。
また彼はこの旅よりある種の図々しさを獲得したのだろう。これは非常に興味深い。人間対人間において、この粘っこい交渉力は重要である。
人に誰かを紹介していただくということ/Yさんの対応から学ぶこと
【人に誰かを紹介していただくということ】
いかなる人であっても、人に誰かを紹介していただいた場合、
会っていただく、その人は紹介してくださった方を信用して紹介を受け入れている。
ということを忘れるべきではない。
特に目上の人の場合、そうである。
つまり、ここで重要なのは、紹介してもらった人の言動が紹介してくれた人の信用に
大きな影響を与えるということである。
であるから、紹介された人は紹介してもらった人の信用を背負って、対応・面会していると
考えた方が良い。
逆に言えば、私自身が誰かを紹介する場合、そのようなリスクを背負って紹介していることを認識しなくてはならないと強く感じた。それこそ、しっかりとしたリマインドなどを送らなくてはならない。
【Yさんの対応から学ぶこと】
今回のゆーまさんの対応から学ぶことは多い。
①人、特に自分がどうしても今後会いたいと思っている人に対しては、
アクションを早く取る。
そうした方は時間の密度が異なるし、
早く反応・対応することで向こうのリスポンスを得やすい。
また、こちらの本気の意志を見せる面でも有用。
②お礼のメールも早く出す
上のものと若干被るものではあるが、全ての対応を早くする。
確かにできる人に限って、全ての反応が早い
③対応相手の心情・状況をいかに考えるか
相手の忙しさや性格、バックグラウンドを事前に全てシミュレートして
行動することが重要である。相手がベンチャー等のスピード感のある業種で働かれている場合に
はメール等で些細なミスを気にするよりは、スピード重視で反応した方がよいし、
典型的な日本企業で働かれている際には文面に気を使った方が良い。
相手がいない時間にいかに相手を創造するかが重要。
長期目標に対する短期目標設定および日々の努力の必要性
考える、あるいは学ぶということ
一つ、思い返してみて、衝撃的に後悔することがある。
それはモンゴル論文のデータセット打ち込みに関することである。私を含め、ほとんど全てのゼミ生は文句をいいながら、エクセルにデータ打ち込みをしていた。しかし、そこで何も考えずに打ち込みを行えば、そこから学ぶことは少ない。(勿論、論文のデータを見ながら、頭の中で仮説の検証などを行えば話は別だが)考えてみれば、あそこでなぜ“エクセル能力”を高めようと思わなかったのだろうか。多くの仕事では未だエクセルが使用されるし、あそこで意図的にエクセルのコマンドなどを覚えれば、あの作業も楽しく、更には学びの深いものになったに違いない。そういった意味で、ライフネット生命の岩瀬さんのもとで名刺入力させられた学生を批判した意図は理解可能である。もし仮に頭を使う仕事がしたく、それで社会に貢献、あるいは地位を向上させたければ、普段の行動により意識的に「考える」ことをしていった方が良い。そういった細部が最終的に大きな差を生むことはまず間違いない。
長期的目標設定に対する短期的目標設定、および日々の努力の重要性
おおよそ、多くの成功や夢の達成に必要なのは以上の基本的なプロセスの繰り返しであると実感する。
中高時代は長期的な目標設定に欠けていたように思う。
大学時代は目標設定ばかり追うあまり、努力に欠けていた。
しかもこのプロセスは双方的なこともツボである。というのは常に目標→努力という一方向ではなく、努力する中で様々な学びを得て、長期・短期的な目標を修正するということを含むのである。
自分の生き方と他人の生き方
人それぞれの生き方は、それぞれが決めるべきことであり、それによって、人を貶したり、嫌いになったりする必要はない。自分の人生のあり方に沿わないようであれば、そっと門戸を閉じればいいだけの話なのだ。
その上で自分の生き方はどのようなものなのか。
達成目標と過程目標
以上は私が勝手に名付けたものである。達成目標は、どんな自分になりたいか。過程目標は、どのようなことをしていたいかを表す。例えば、達成目標は大統領になりたい、ノーベル賞が取りたいなどで、過程目標はパソコンに向き合うよりも、戦略立て、交渉をしたいなど、具体的な時間の使い方とイメージすれば分かりやすいと思う。一般的に目標と言えば、達成目標を指すことが多いと思われるが、過程目標も同時に視野に入れることは有用である。おそらく相当ストイックな人間以外は、達成すべき状態・目標に向けて、自分がやりたくないことをやりつづけられるほど強くはない。よって、過程目標を立て、それと達成目標をつなげる導線を引くような作業が必要だと思う。
- パブリックとプライベートを行き来できるような職場
インパクトが大きい仕事
- 頭を盛大に使える仕事
『それでも人生にイエスという』(ヴィクトール・フランクル)
『夜と霧』のヴィクトール・エミール:フランクルが、ウィーン市立大学で行った公演をまとめてある。
『夜と霧』との対比で語ると、本書ではそれほど収容所での体験の詳細は語られない。
むしろ、『夜と霧』での収容所での体験を元にフランクルが考えた人生哲学をより詳細に語ったものであるといえる。
『夜と霧』で私が感動した生の意味に関するコペルニクス的な問いの展開に関してはここでは言及せず、他にポイントであった部分を引用する。
『創造性を発揮し、言葉だけでなく行動によって、活きる意味をそれぞれ自分の存在において実現するかどうかにかかっているということです』
『生きるということは、ある意味で義務であり、たったひとつの重要な責務なのです。』
『しあわせは、けっして目標ではないし、目標であってもならないし、さらに目標であることもできません。それは結果にすぎないのです。』
『なにをして暮らしているか、どんな職業についているかは結局どうでもよいことで、むしろ重要なことは、自分の持ち場、自分の活動範囲においてどれほど最前を尽くしているかといるかだけだということです。活動範囲の大きさは大切ではありません。大切なのは、その活動範囲において、最前を尽くしているか、生活がどれだけ「まっとうされて」いるかだけなのです。』
『死は生きる意味の一部になっている』
『人生に重みを与えているのは、ひとりひとりの人生が一回きりだということだけではありません。一日一日、一時間一時間、一瞬一瞬が一回きりだということも、人生におそろしくもすばらしい責任の重みを負わせているのです。』
『なんといっても、自分の存在を自分のあるべき姿に照らし合わせる人、したがって自分自身に理想というものさしを当てる人が、まったくくだらない人間であるかを問題にしなければなりません。自分自身に絶望することができるという、まさにその事実から、その人がなにかしら正しいことがわかり、絶望するほどのこともないことがわかるのではないでしょうか。』
『ひとりひとりの人間は、たしかに不完全ですが、それぞれ違った仕方で、「自分なりに」不完全なのだということを忘れてはなりません。』
『生はいまや、与えられたものではなく、課せられたものであるように思われます。』
『人生それ自身がなにかであるのではなく、人生はなにかをする機会である!(ハッベル)』
(解説)
『「快楽への意志」は「体験価値」を、「力への意志」は「創造価値」を、「意味への意志」は「態度価値」を実現するものに変質するであろう。
『伝説の新人 20代でチャンスをつかみ、突き抜ける人の10の違い』(小宮謙一、紫垣樹郎)
いわゆるハウツー本であるが、主に20代で突き抜け、現在も活躍されている方々へのインタヴューや著作者達の経験に基づいて、新人時代に重要な要素、およびその理由を記載している。
ここに書かれていることで共感できることが非常に多かった。
・スタートが違う
・チャンスのつかみ方が違う
・当事者意識が違う
・目標設定力が違う
・時間の使い方が違う
・解釈力が違う
・好かれ方が違う
・伝え方が違う
・スキルの盗み方が違う
・読書量が違う
特に共感したのは、以下の三つである。
・スタートが違う
スタートが爆速であることで、上司から信頼され
良い仕事が入ってくる。たとえ、失敗しても新人故に
それで終了ということもない。
新人に助走はない。
・時間の使い方が違う
これは受験生活を経て学び、現在まで忘れていたことの一つである。
時間は平等であるが故に、少しの時間の使い方や重み付けの違いによって
最終的に大きな差を生むものと理解している。
・スキルの盗み方が違う
社会人になるにあたって必要なスキルはすべてが本に載っている訳ではない。
いわゆる凄腕の方のそばでやり方の全てを具に観察し、
自分と照らし合わせて、自ら学んでいく様が重要である。
まず、来学期より新たなゼミを始めるため、そこで実践していきたい。
具体的にはまず課題図書を読み切ってから
ゼミに臨むこと、最初の回でしっかりと発言し、自分の存在を示すことである。