『モーターサイクルダイアリーズ』(エルネスト・チェ・ゲバラ)

キューバ革命を成功させたチェゲバラが、青年期に南アメリカのハンセン病施設を巡るため(という名目で?)行った旅の日記。

 

当時、ゲバラは21歳であり、私よりも一年若かった。

そんな彼の文章、そこから見える行動は若さを伴うものの、ある種の熱が伝わってくる。

 

いわゆるゲバラはエリートである。医師の免許を持ちながら、戦うことを選んだ。

その熱の源泉はこの旅で見てきた虐げられた人々。南アメリカの一体感。アメリカへの反発にあったと見て間違いないだろう。

 

本書の中で彼に見られる特徴は、人なつっこさ、そして時には嘘も方便という態度である。チェも当然、聖人ではない。

 

また彼はこの旅よりある種の図々しさを獲得したのだろう。これは非常に興味深い。人間対人間において、この粘っこい交渉力は重要である。